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リフトアップで何がおきるのか?~スズキ・ジムニー〜①制動時の挙動[クルマの運動学講座・その1]

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リフトアップで何がおきるのか?~スズキ・ジムニー〜①制動時の挙動[クルマの運動学講座・その1]

前回、「モーターサイクルの運動学講座~番外編」というカタチでモーターサイクルに似たホンダS500のリヤサスペンションを取り上げましたが、クルマに関してもある程度まとまったカタチでシリーズ化できるのではと考え、タイトルを「クルマの運動学講座」として新たにスタートさせます。
TEXT:J.J.Kinetickler

第1回目として取り上げるのは、スズキ・ジムニーです。

ジムニーの足回りは、本格的クロカン四駆でよくみられる前後方向をリーディングアーム、トレーリングアーム、横方向をパナールロッドで位置決めされたリジッドアクスルです。

このスズキ・ジムニーを題材に、リジッドアクスルの加減速時の荷重移動や姿勢変化、コーナリング時のロール姿勢などを講義すると共に、カスタマイズでよく行われる「リフトアップ」の課題についても話を展開します。

題材として取り上げた4代目スズキ・ジムニー、JB64/JB74系は人気沸騰中で、現在でも納車までに1年以上かかるといわれています。

このスズキ・ジムニーは軽自動車枠でありながらラダーフレームシャシー、パートタイム式4WD、副変速機、前後リジッドアクスルサスペンション、ブレーキLSDトラクションコントロールなど驚くほど本格的な車両構成となっています。

コンパクトで軽量な車体を生かした軽快なフットワークと走破性は、時として大型クロスカントリー車を超える性能を発揮します。

またシンプルな車両構成もあって、かなりの割合でカスタマイズの素材にされています。

そのカスタマイズの定番が「リフトアップ」です。

通常は1〜3インチ(25〜75mm)に大径タイヤ、中には100mm以上リフトアップされたカスタマイズもあります。みるからに精悍で走破性もよさそう。上から見下ろす視界も良好で街中を乗っているだけで優越感すら感じます。しかし、リフトアップには色々と落とし穴もあるのです。

著者
J.J.Kinetickler

日本国籍の機械工学エンジニア。 長らくカーメーカー開発部門に在籍し、ボディー設計、サスペンション設計、車両企画部門を経験。 退職後、モデルベース開発会社顧問を経て、現在は精密農業関連ベンチャー企業の技術顧問。
「物理を超える技術はない」を信条に、読者に技術をわかりやすく伝えます。

クルマの運動学講座

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