TOPPANが建築用フィルムを自動車内装に応用。「ダブルビュー®」が演出する極上の車内空間|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA
近年、自動車業界の急速な進化と共に市場は新たなニーズを求めている。その声に応えるべく手を上げたのが、TOPPANであり、透過加飾フィルム「ダブルビュー®」だ。前回(2024年5月)パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYAで初お披露目した「ダブルビュー®」は大好評となり、すでに引き合いの話も出ているそうだ。
TOPPANは日本を代表する総合印刷会社であり、その歴史は1900年に創業された凸版印刷にまで遡る。これまで印刷技術を基盤として、主に建築用フィルムを扱ってきた。そんなTOPPANがなぜ自動車内装用のフィルムを手掛けるのか?詳しい話をTOPPAN 説明担当員の鈴木琳太郎氏にうかがった。
TEXT:庭野 ほたる(Hotaru Niwano)
PHOTO:村上 弥生(Murakami Yayoi)
主催:公益社団法人自動車技術会
建築用フィルムだった「ダブルビュー®」が自動車内装へ
もともと建築用に開発された「ダブルビュー®」は、室内装飾における視覚的な多様性を提供するために設計された。しかし、自動車業界におけるニーズの変化や自動運転技術の進展に伴い、車内のデザイン性や居住空間の一部としての重要性が増してきた。そこでTOPPANは、自動車分野への応用ができないかと考えた。
「自動運転が普及する中で、車内はリビングのような快適空間が求められるようになっています。無機質な黒いモニター画面ではなく、視覚的に美しいデザインや一体感が求められていると感じています」(鈴木氏)。
特殊な印刷技術で実現する多様な空間
「ダブルビュー®」の特徴は、オフの時には木目やカーボン調のデザインが表示され、オンになると映像が表示される。このフィルムは特殊な印刷技術とインキを用いた化粧シートでデザインされている。光が当たると透過され、柄に邪魔されることなく映像のみが表示されるという。たとえば、ナビやテレビのディスプレイを使わない時は内装加飾の一部として美しく融合するのだ。
「通常であれば、テレビのモニターがオフの時はブラックスクリーンですが、このダブルビュー®ならそれを消せるんです」(鈴木氏)。