バッテリー製造、車両システムの熱マネジメント、水素燃料の性能。モビリティ開発の課題を「はかる」でサポートする堀場製作所の技術力に迫る|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA
京都市に本社を置き、自動車をはじめ各種計測機器の製造・販売を行っている堀場製作所は「はかる」力でモビリティ開発をサポートしている。2024年7月に名古屋で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」では、EVや水素燃料など車両開発のさまざまな課題へのソリューションを展示した。話を伺ったのは、エネルギー・環境本部 エネルギー環境戦略室 モビリティ戦略チームマネジャーの熊谷 樹氏。テーマの一つに掲げていたのは「はかる」というシンプルなワードだ。
TEXT&PHOTO:石原 健児(Kenji Ishihara)
主催:公益社団法人自動車技術会
目次
EVを「はかる」ーサンプルセルの計測データから各種のシミュレーションを作製
EVを「はかる」というテーマの展示では、パワーソースとして欠かせないバッテリーの製造を一例にあげた。「電動パワートレインの開発スピードを上げたい」という課題に対し、堀場製作所では、サンプルセルの計測データから、バッテリーパックの完成モデルを作り上げるソリューションを提案している。
試作品のバッテリーを計測し「電力特性」「発熱挙動」「劣化」の3項目をシミュレーション。バッテリーモジュールやバッテリーパック製造時の数値を推計する。「手元にバッテリーセルの試作品があれば、完成状態のバッテリーパックの電気特性をあらかじめ推定できます」と熊谷氏は説明してくれた。
例えば、バッテリーの発熱挙動を推定する場合には、試作品の熱の挙動を計測後、計測数値をもとにバッテリーパックの完成モデルを作成する。すると、実際のバッテリーパック製造時にどのように冷却回路(充填剤、断熱材)を組めばいいのか評価できる。あらかじめ仕上がりの完成図が描ければ、納期が短縮できる可能性もある。