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明電舎が開発する「シャシダイナモメータシステム」。EV化で車両検査ニーズはこんなに変わった|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA

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明電舎が開発する「シャシダイナモメータシステム」。EV化で車両検査ニーズはこんなに変わった|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA
明電舎のシャシダイナモメータシステム

2024年7月17日から19日にかけて名古屋で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」。明電舎のブースでは「高度な計測技術を基本とした完成車両評価ソリューション」と題した展示が目を引いた。内容は、車両の走行性能などを測定するシャシダイナモメータの技術開発の変遷を追うもの。検査システムの進化を振り返りながら、自動車メーカーの製品チェックの一端に触れることができた。


TEXT&PHOTO:石原 健児(Kenji Ishihara)
主催:公益社団法人自動車技術会

ガソリン車・EV検査の共通の検査課題

「現在、EV検査の課題は6つに分類されます」

明電舎の電動力ソリューション営業・技術本部 モビリティT&S技術部 技術科に所属する山口天志 氏は、製造現場におけるEVの検査ニーズが変化していると説明する。EVの検査課題は主に6つに分類されるという。

1つ目はシャシダイナモメータの「高応答化と低騒音化」である。EVの高出力化により車両の走行性能は従来に比べ格段に向上した。それに伴い、明電舎のシャシダイナモメータも急加速や急減速に対応できるように改良が加えられた。また、静粛性が特徴の一つでもあるEVは、厳格な騒音検査も求められる。明電舎では、検査機器の稼働音低減をめざし、低速からの機器制御に力を入れるとともに、機器の冷却方式を空冷式から液冷式に変更するなど低騒音化を図った。

2つ目の課題は「国・地域の法規に応じた検査設計」。日本・アメリカ・ヨーロッパ圏など、国や地域が違えば車両検査の法規は変わる。明電舎のシャシダイナモメータは、UNR154やCFR1066など、異なる走行負荷や評価方法の車両検査にも対応している。「各種法規への対応は必須であり、高応答化や低騒音化への対応はEVの開発が進むにつれニーズが高まっています」と山口氏は製造現場の変化を説明する。

EVの検査における新たなニーズは「ローラ上でのスリップ低減」「車両下部の温度再現」「より実路に近い運転再現」

検査目的に応じ、異なるローラーの表面加工を提案
著者
石原健児

取材ライター。
1966年東京生まれの北海道育ち。大学卒業後、イベント関連企業、不動産業を経て印刷業へ。勤務先のM&A・倒産をきっかけに2016年からライター業を始める。医療系WEB媒体、ビジネス誌「クオリタス」などで活動。医師、弁護士、企業経営者、エンドユーザーなどを対象に取材してきた。総取材人数はだいたい1500人。就学前までに自動車や転落事故で「九死に二生」位は得ていると思う。最近好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。

人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA

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