マツダのロータリーエンジンが発電機として復活「MX-30 Rotary-EV」で新時代の電動車体験へ|人と車のテクノロジー展 2024 NAGOYA
2012年に姿を消したマツダのロータリーエンジン。それが2023年に復活したというニュースは、記憶に新しい。だが、従来のロータリーエンジンとは一味違う。「発電機」として進化し、新たな役割を得たロータリーエンジンの姿を取材した。
TEXT:久保田 幹也(Mikiya Kubota)
PHOTO:村上 弥生(Yayoi Murakami)
主催:公益社団法人自動車技術会
そもそもロータリーエンジンとはなにか
読者諸氏の中には、ロータリーエンジンを知らない層もいるかもしれない。ロータリーエンジンとは、丸みを帯びた三角形のローターが回転してエネルギーを生み出す原動機のことである。
エキセントリックシャフトの回転でローターを動かし、吸気・圧縮・爆発・排気を1サイクルで行う。ピストン運動でエネルギーを生み出すレシプロエンジンとは異なり、小型化が容易なのが評価されていた。
一方で、その機構上、ローターやハウジングの摩擦損失が大きい。そのうえ、組み上げには熟練の職人による作業が必要であり、ライン生産には適していないという問題も抱えていた。
マツダの代名詞的存在であったが、2012年にRX-8の生産終了とともに製造を終了。かくしてマツダのロータリーエンジンは、一旦市場から姿を消したのである。