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ヘンケルジャパン「延焼防止コーティング」がEVバッテリーの発火事故から同乗者を守る。熱暴走による延焼に10分間の猶予を持たせる|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA

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ヘンケルジャパン「延焼防止コーティング」がEVバッテリーの発火事故から同乗者を守る。熱暴走による延焼に10分間の猶予を持たせる|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA

EVが普及しつつある一方で、その安全性をめぐって議論も巻き起こっている。特に注目されているのはEVバッテリーの安全性。いうなれば発火事故にどう対処するかである。痛ましい事故も発生している中、ヘンケルジャパンは延焼防止コーティングを「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」で出展。延焼防止コーティングとはどのようなものなのかをうかがった。

TEXT:久保田 幹也(Mikiya Kubota)
PHOTO:村上 弥生(Yayoi Murakami)
主催:公益社団法人自動車技術会

開発のきっかけは中国での事故

EVバッテリーといえば、EVの心臓ともいえる部分。日本は世界に比べて後れを取っている分野ともいわれているが、焦って開発をして事故でも起こしたら話にならない。現にEV大国と呼ばれる中国では、痛ましい事故が発生した。

EVバッテリーの熱暴走による延焼過程。 セルひとつが発火すれば、周辺への延焼は免れない。

「中国ではEVの事故が多発し、報道規制まで入ったようです。それと同時に法規制も行われ、従来よりも厳格な基準でEVバッテリーが評価されるようになりました」

そう語るのは、ヘンケルジャパンのマーケティングマネージャー 青木 雪絵氏である。青木氏は続けてこう語る。

「当社は、中国の事故の報道から、EVバッテリーの延焼防止につながるものを作ろうと考えました。その結果、誕生したのが延焼防止コーティングです」(青木氏)。

耐火試験前のアルミケースの内側。 ハロゲンや発がん性物質を含んでいない点も評価が高い。

つまり、車側で防火対策をするのではなく、バッテリー側で対策をしてしまおうという意図だ。すでにリリースが出されており、さまざまな企業から注目を集めている。

10分間の耐火性能の意図

著者
久保田幹也

合同会社字遊堂 代表社員。3級自動車ガソリン・エンジン整備士免許取得。整備士退職後にWebライターとして活動を開始し、現在はWeb・紙を問わずライティング全般を請け負う。「黙れ。座れ。書け。」の信念で、自走・自活できるクリエイター育成にも取り組んでいる。実は自動車よりバイクのほうが運転歴が長い。

人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA

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