エンジンテクノロジー超基礎講座117|7気筒や9気筒という奇数気筒エンジン
自動車用レシプロエンジンで奇数気筒なのは1/3/5のみ。しかし「自動車用」という括りを外せば、さらに多くの奇数気筒配列が存在する。その典型は航空機用星型エンジンだ。海の上と大空では なぜか奇数気筒が幅を利かす 。
逆に言うと、星型には奇数気筒しか存在しない。星型の偶数気筒があるとして、その点火順序を考えて見よう。
円に沿って順に1→2→3...とすると、クランク一回転で全気筒の点火が終わってしまい、4ストロークが成立するためには残りの一回転は空回りするだけだ。だから奇数気筒として1→3→5→2→4(5気筒の場合)と対角線上に点火することが必要になる。14気筒といった偶数気筒は7気筒×2といった具合に、奇数気筒を前後に重ねて成立するのであって、基本はあくまで奇数配列である。
また船舶用の大型ディーゼル機関には、7気筒以上の直列奇数配列がある。2ストロークで数十rpmという極低回転で運転されるため、120°以上のクランク位相(点火間隔)であれば振動はほとんど問題にならないからだ。