エンジンテクノロジー超基礎講座126|ハイエースやハイラックスの直4ディーゼル:トヨタ[KDシリーズ]
トヨタのワークホース勢に搭載される直列4気筒のディーゼルエンジンシリーズ・KD型。ハイエースやハイラックスなどで活躍する。
KZ系列の後継として2000年7月に登場したKD系列のエンジンは、トヨタの直4ディーゼルエンジンで最大の排気量を誇る。系列内には3.0ℓの1KD-FTVと2.5ℓの2KD-FTVとが存在するが、両者の違いはボア×ストロークだけで機構や装備に大きな違いはない。
燃料供給はコモンレール式で、燃料噴射量やバルブタイミング、あらゆる走行状況に対応するブースト圧、パイロット噴射のタイミングなどを精緻に電子制御するコモンレール・システムを軸としたクリーン・ディーゼル技術「D-4D(Direct injection 4 Stroke common rail Diesel engine)」が投入されている。その燃焼はUNIBUS:Uniform Bulky Combustion Systemと称する、まず一部の燃料を圧縮工程中に噴射して空気と混合させ予混合気を作り、さらに、残りの燃料の噴射時期を遅らせることで低い温度で急速に燃焼させる2段階の燃料噴射制御によるもので、いわゆるPCCI:予混合圧縮自着火である。
主に“ランドクルーザー”や“ハイラックス”およびそれらの海外展開車と派生車で使用され、非常に多くのバリエーションを持つ。2004年8月のハイエース/レジアスエースフルモデルチェンジ時の搭載仕様では「自動車NOx・PM法」「平成15年(新短期)排出ガス規制」に適合させ、同車における久しぶりのディーゼルエンジン搭載となった。
■ 2KD-FTV
気筒配列 直列4気筒
排気量 2494cc
内径×行程 92.0×93.8mm
圧縮比 18.5
最高出力 75kW/3600rpm
最大トルク 260Nm/1600-2600rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/×
(ハイラックス)