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エンジンテクノロジー超基礎講座124|初の横置きロータリー車:水素とのデュアルフューエル[マツダ・プレマシーハイドロジェンREハイブリッド]

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エンジンテクノロジー超基礎講座124|初の横置きロータリー車:水素とのデュアルフューエル[マツダ・プレマシーハイドロジェンREハイブリッド]

水素を燃料として燃やして走る。そのためにマツダが採った手段はシリーズハイブリッド、そして虎の子のロータリーエンジンだった。
TEXT:松田勇治(MATSUDA Yuji) FIGURE:MAZDA

水素RE(ロータリーエンジン)の開発においては、「どんな水素を用いるか?」について検討を重ねた。結果、現時点では圧縮水素を選択、RX-8ハイドロジェンREでは35MPa(350気圧)の圧縮水素を採用している。水素のみによる航続距離は10・15モードで約100km。デュアルフューエルなので実用上の問題はないとはいえ、けっして十分とはいえない。

マツダのプログラム開発推進本部 開発主査(取材当時)の柏木章宏さんが取り組んだ課題は、水素による航続距離を2倍に伸ばすことだった。たとえば70MPa圧縮水素を使えば、航続距離は30〜50%伸ばせるはずだ。液体水素なら、さらに体積あたりのエネルギー密度が高まって航続距離が伸びる。しかし、エネルギー効率の観点からすると、高圧化や液化のためにエネルギーを費やすのはナンセンスだ。そこで選択したのが、電気モーターを組み合わせたハイブリッド・パワーパッケージ化である。

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