開く
FEATURES

エイム:中村史郎デザインのシティコミューター「EVマイクロ01」を発表【ジャパンモビリティショー2023】

公開日:
更新日:
エイム:中村史郎デザインのシティコミューター「EVマイクロ01」を発表【ジャパンモビリティショー2023】
エイムEVマイクロ01とエイムの鈴木幸典社長(左)、SNデザインプラットフォームの中村史郎社長(右)

自動車エンジニアリングサービス会社のエイムは、タルガトップの2人乗りBEVモビリティ「EVマイクロ01」を初公開。7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなどで好評を博したBEVスポーツカー「EVスポーツ01」も出品した。
[東7ホール 小間番号E7406]

REPORT:遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO:遠藤正賢/エイム

エイムの鈴木幸典社長はプレスブリーフィングの冒頭、「EVスポーツ01は『今、私たちが乗りたいEV』、EVマイクロ01は『今、必要なEV』」と、両者の開発コンセプトの違いを端的に説明する。

エイムEVスポーツ01

その言葉の通りEVマイクロ01は、沖縄県の島嶼部やリゾート地域の意見を反映して開発。「沖縄県には190超もの島があり、そのうち39の島に人が住むものの、そういった島々には高速道路もなく、道幅も大変狭く、一日の移動距離はさほど長くない。また運搬コストがかかるため燃料代が非常に高い。そういったところに今必要な、手軽な交通手段は何か」(鈴木社長)を考えた結果、沖縄県で4番目に大きな久米島の皆さんと一緒にこのクルマを開発した」。

そんなEVマイクロ01のボディサイズは、全長×全幅×全高=2,490×1,290mm×1,550mm、ホイールベースは1,780mm。「その小さなスペースに大人2人がゆったり座れる」という。

最高速度は60km/h、一充電走行距離は120kmとしているが、バッテリーは固定式と交換式の2種類を設定する計画。これについて鈴木社長は、「島々のニーズと将来的な多様性に対応するため」と説明している。

全長はわずか2,490mmと非常にコンパクト。その中に大人2人が座れ荷物も載せられるスペースを確保している

そんなEVマイクロ01のデザインはEVスポーツ01に続き、元いすゞおよび日産のデザイナーとして知られる中村史郎さんが率いるSNデザインプラットフォームが担当している。

センターコンソール上のシフトボタンとスマートフォン状のメーターパネルが特徴的な運転席まわり

デザイン制作にあたっては、同社スタッフが沖縄島嶼部の現地に出向いて、現地でのクルマの使われ方を参考にしながら開発。非常に限られた外見寸法の中で最大限のスペースを得るため、「メーターやディスプレイを最小限でミニマルなものにし、シートも非常にシンプルかつモダンながら質感の高い素材を採用」(中村さん)した。

ヘッドレスト一体型のシートはシンプルな形状ながら表皮の質感は高い

「沖縄の守り神であるシーサーにインスパイアされた」フロントマスクを持つエクステリアは、今回展示された沖縄の風景に似合うオレンジのボディカラーとオープントップのほかにも、ボディカラーはミントグリーンとグレーを設定。ルーフパネルとサイドウィンドウは脱着式となっており、とりわけグレーのクローズドボディは「非常にシックな、あるいはスポーティな見え方になって、街中にふさわしいシティコミューターに早変わりする」。

グレーのボディカラーのイメージCG。黒との2トーンによりスポーティな印象が強まっている

最後に、気になる価格について鈴木社長は、「そして何よりもその島々の人たちに手軽に使っていただくためにも、できるだけ安くなるよう様々な努力をして、バッテリー別の価格が100万円以下になるよう計画している」。

製造・販売の開始時期や地域についても、「2025年から沖縄の人たちと一緒に沖縄県で製造していきたい。そして、沖縄だけではなく日本全国の島々の過疎地域や観光地、さらには世界へ広まっていくように、持続可能な社会を目指してこれから頑張っていきたい」と、鈴木社長は明言した。

エイムEVマイクロ01

ジャパンモビリティショー2023:テクノロジーレポート

PICK UP