ジェイテクト:キャパシタをドローンに使う理由【ジャパンモビリティショー2023】
ステアリングシステムに軸受、工作機械を得意とするジェイテクトが、このところ実力を発揮するのがリチウムイオンキャパシタ。パワーステアリングの補助電源としても活躍しているこれを、最近はドローンに適用し始めた。そのねらいとは。
[西3・4ホール 小間番号W4114]
キャパシタは瞬間的な電気エネルギーの入出力の発揮が得意。一方で大容量で航続距離を——という使い方には向いていない。そこで、ちょうど反対の性質を持つ(リチウムイオン)バッテリーと組み合わせ補完した電源構成とすることで、ドローンの性能をより引き出すことを目的としている。
具体的には、例えばドローンは目的の座標まで一気に飛んでいき急停止、その場で滞空——などという使い方が多い。その「ピタッと止める」ときに大電流が要されるという。ブース内の展示でも、地上から上昇する際の挙動において、キャパシタとバッテリーのそれぞれのデモンストレーションがなされていた。
さらに「ジェイテクトのキャパシタ」となると利得が増える。バッテリーセルは繰り返しの充放電によって劣化を招いてしまうところ、同社のキャパシタは高耐久で性能の低下が少ない特質を持つ。その性能を実現している理由のひとつが高い耐熱性。マイナス40度から85度という広い動作温度範囲が特長でもある。これを達成したのは電解液/電極材料の工夫によるもの。
空を飛んでいるだけに絶対にモータの停止=墜落を起こしてはいけないドローンという装置において、キャパシタの果たす意義は非常に大きいだろう。なお、ジェイテクトはバッテリーとのハイブリッド電源のみならず、燃料電池との組み合わせでもドローンの試験飛行に成功している。