開く
NEWS

【海外技術情報】バジャージオート:世界初のCNG&ガソリンのデュアル燃料モーターサイクルが発売された!

公開日:
更新日:
【海外技術情報】バジャージオート:世界初のCNG&ガソリンのデュアル燃料モーターサイクルが発売された!

インドの有力モーターサイクルメーカーBAJAJ AUTOが、世界初となるデュアル燃料モーターサイクルを発売する。CNGを燃料とすることで燃料費を半減させることができるという。

CNGでも走行可能なデュアル燃料モーターサイクル「FREEDOM」の概要

HERO MOTOCORPに次ぐインド第二位の販売量を誇るBAJAJ AUTOが、世界初となるデュアル燃料(CNGとガソリン)に対応したモーターサイクル「FREEDOM」を発売した。本年5月に当サイトにて「バジャージ・オートが2024年6月にCNGバイクを発売する」と報告していたが、それが実現した。パフォーマンスを追求するようなモデルではなくコミューターバイクである。

搭載するエンジンは空冷4ストローク単気筒。日本メーカー製の横型エンジンに良く似た外観である。排気量は124.58cc。最高出力は9.5PS@8,000rpm、最大トルクは9.7Nm@5,000rpm。

CNG容量は12.5Lであり、ガソリン容量は2L。この容量の違いから分かるように「FREEDOM」はCNG走行を主として利用する想定である。公式サイトをみると、ガソリンタンクは「補助ガソリンタンク」と表現されている。CNGからガソリンに使用燃料を切り替えるには、手動のスイッチを操作する。また、CNGで200km、ガソリンで130km、合わせて330kmもの航続距離を誇る。最高速度はCNG燃料では90.5km/hと控え目だが、ガソリン燃料に切り替えると93.4km/hへと若干向上する。コミューターとして強味を打ち出せる経済性と航続距離、必要十分な性能を有していると言える。

また、CNGはクリーンな燃焼が可能である。ガソリン燃料よりも二酸化炭素のみならず、未燃焼炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、微粒子の排出量が大幅に少なくなる。オイルを汚染したり希釈することもないためオイルの寿命も延びる。

一般的なモーターサイクルの燃料タンクの位置に搭載しているのは補助ガソリンタンク。

気になるのはCNGを燃料にすることに起因する安全性だ。CNGタンクはシートの下、リアのトレリスフレーム間に設置されている。

公式発表はないが、海外情報サイトによると約1%に圧縮されており、これはつまりライダーの股下に3,000psiを超える圧力がかかった金属製タンクがあることを示す。トレリスフレームが提供する安全性が気になるところ。価格は11万ルピーであり、これは日本円にして約20万8,000円である。

著者
川島礼二郎
テクニカルライター

1973年神奈川県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊員としてケニアに赴任。帰国後、二輪車専門誌、機械系専門書の編集者等を経て独立。フリーランスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに執筆している。

川島礼二郎の海外技術情報

PICK UP