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【海外技術情報】アウディ:インゴルシュタット工場が2024年1月からカーボンニュートラル生産を実現!

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【海外技術情報】アウディ:インゴルシュタット工場が2024年1月からカーボンニュートラル生産を実現!

アウディのインゴルシュタット工場が、2024年1月1日からネットカーボンニュートラルな生産を開始した。これはアウディにとって、ブリュッセル(ベルギー、2018年)とジェール(ハンガリー、2020年)に次いで、ネットゼロエミッションで稼働する3番目のアウディ工場となる。

カーボンニュートラル生産を達成するための4つのコンセプト

アウディはミッションである「ゼロ環境プログラム」の一環として、正味カーボンニュートラルを達成するという目標を設定している。アウディの生産・物流担当取締役を務めるゲルト・ウォーカー氏は次のように説明した。

「環境を可能な限り環境を保護することは、アウディの企業戦略にしっかりと根付いています。インゴルシュタット工場を再生可能エネルギーに移行することで、当社は純カーボンニュートラル車両生産という目標に向けて大きな一歩を踏み出しました」

この野心的な目標を達成するために、アウディは4本柱のコンセプトを実行しているという。

1. エネルギー効率の向上

最初の柱はエネルギー効率の向上である。アウディは拠点のエネルギー効率を改善しており、これによりすでに大量の二酸化炭素排出が回避されている。たとえば2022年にはエネルギー管理により、インゴルシュタット工場では35,000メガワット時以上のエネルギーを節約して、5,000トン以上の二酸化炭素排出を防止した。

アウディ自身が開発したエネルギー分析プラットフォームである「Energy Analytics」が、この目標の達成に大きく貢献した。「Energy Analytics」は生産プロセスからの大量のデータのライブコンパイル、準備、処理を実行する、ソフトウェアベースの分析システムである。このプロセスは一般にデータマイニングとして知られている。分析した結果は、ユーザーが分析の重要なポイントをすぐに特定できるように視覚的に表示される。これにより不必要なエネルギー消費の原因をより簡単に理解・分類することで節約の可能性を示し、最終的に適切な対策を導き出すことができる。

2. 敷地内における再生可能エネルギー生産

2本目の柱は、工場敷地内における再生可能エネルギーの生産である。現在までに、インゴルシュタット工場の2万3,000平方メートルの面積に、太陽光発電モジュールが設置されている。今後数年間、アウディはすべての生産拠点で自ら生成するエネルギーの割合を増やし続けるという。現在、本社工場では約4万1,000平方メートルの太陽光発電モジュールが建設中または計画中だ。

アウディは太陽光発電に加えて、熱エネルギーの社内生成にも注力している。また、生産工程からの廃熱を再利用するヒートポンプの利用についても、徐々に増やしていく計画である。

3. 再生可能エネルギーの購入

コンセプトの3本目の柱は、エネルギー調達をネットカーボンニュートラルに移行する、というもの。インゴルシュタット工場では2012年初頭から、グリーン電力のみを使用して自動車を生産している。この初期の移行により、アウディは当時の業界における持続可能性の先駆者となった、と主張している。
アウディ グループの環境保護責任者であるリュディガー・レックナーゲル博士によると、さらにネットカーボンニュートラルな熱供給を確保するために、アウディは大量のバイオガスを確保したという。

4. クレジット購入

4本目の柱は、アウディがまだ排出を回避できない排出量(元の炭素排出量の最大10パーセント)は、ゴールドスタンダードなどの最高の品質基準に従って認定された炭素クレジットを購入することで相殺している。アウディは特に、グローバルサウスでの風力タービンの建設に投資している。

著者
川島礼二郎
テクニカルライター

1973年神奈川県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊員としてケニアに赴任。帰国後、二輪車専門誌、機械系専門書の編集者等を経て独立。フリーランスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに執筆している。

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