【海外技術情報】GM:ウォルマートがInHome配送サービスにシボレーのEV商用バン「ブライトドロップ」を採用
GMがシボレーブランドからEV商用バン「ブライトドロップ」を発売したことは、2024年9月に当欄にてご紹介した。「ブライトドロップ」は航続距離272マイル(435km)を誇り、ドライバーの安全と注意力を維持するための高度な機能を備えている。その「ブライトドロップ」を、アメリカの小売大手ウォルマートが、InHome配送サービスという独自サービス用に採用すると発表した。
ブライトドロップは航続距離435kmのEV商用バン
シボレーブランドから発売されているEV商用バンは2車種。「シボレー ブライトドロップ 400」と「シボレー ブライトドロップ 600」だ。
前者はホイールベース153.1インチ、全長238.6インチ、貨物容積412.1 立方フィート、販売価格は$62,725。後者はホイールベース183.5インチ、全長290.0インチ、貨物容積614.7 立方フィート、販売価格は$64,425である。
両車はGMのEV用バッテリープラットフォームであるUltium(アルティウム)を活用しており、優れた性能、十分な航続距離=435kmを獲得している。
また、先進的なドライバーアシスト機能等を搭載しているほか、「ブライトドロップ」を使用運送業者は、On Starが提供する車両の運行維持管理に役立つテレマティクスと安全ソリューションを利用できる。
・車両基本情報
・車両位置
・車両の健康状態アラート
・走行履歴
・運転者行動モニタリング
・アイドル時間
・経費管理
などをリアルタイムで確認できる。
ウォルマートが全米6,200 万世帯をカバーするInHome配送サービスに「ブライトドロップ」を採用
GMは「ブライトドロップ」が、アメリカ小売大手ウォルマートの独自サービスであるInHome配送サービス用として採用されたことを発表した。InHome配送サービスとは、ウォルマートが提供する独自配送サービスのこと。買ったものを冷蔵庫の中にまで入れてくれる、というもの。
2022年にロサンゼルス、シカゴ、ヒューストン、インディアナポリスなどの一部都市でサービス提供が開始されたが、これをウォルマートは全国6,200万世帯にまで拡大する。2024年末までに、オースティン、ダラス、デンバー、デトロイト、アーカンソー州北西部、オーランド、サンフランシスコ湾岸地域で、「ブライトドロップ400」を展開する予定であるという。
この大規模受注は、「ブライトドロップ」の高機能が貢献しているようだ。ウォルマートアメリカ専属配送担当副社長のウォーレン・ムーア氏は以下のように説明している。
「当社は人間主導でテクノロジーを活用することに重点を置いている。当社は常に、従業員の体験を向上させ、顧客には最高のサービスを提供する方法を模索している。だからこそ『ブライトドロップ』を当社のInHome配送車両群に追加する。
試験運用中、InHomeのドライバーのフィードバックに注意深く耳を傾けたが、彼らは実際の配送現場における車両のパフォーマンスに感銘を受けていた」
日本においては、EV軽バンが配送車両に採用されつつあるのはご存知のとおりだ。乗用EVはいったん踊り場を迎えているが、運送業者に対して、車両群の運行やそのコストを効率的に管理できる付加的なサービスを加えることができれば、配送車両をEV化するメリットがさらに増えるだろう。